
中古品を仕入れて販売する「せどり」や転売、リサイクルショップ、出張買取、ネットショップなどを始める場合、原則として古物商許可が必要です。
自宅にある不用品をフリマアプリで売るだけであれば、通常は古物商許可を取得する必要はありません。しかし、利益を得る目的で中古品を継続的に仕入れ、販売や交換を行う場合は、古物営業法に基づく許可を受けなければなりません。
無許可のまま古物営業を行った場合は、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処される可能性があります。
「副業だから必要ない」「取引件数が少ないから大丈夫」というわけではありません。中古品を仕入れて販売する事業を始めるのであれば、仕入れを開始する前に古物商許可を取得しておきましょう。
この記事では、古物商許可が必要になるケース、申請に必要な書類、費用、警察署への申請方法、取得後に守るべきルールまで詳しく解説します。
古物商許可の申請内容を先に確認
古物商許可の申請に関する基本情報は次のとおりです。
申請先:主たる営業所の所在地を管轄する警察署
申請窓口:生活安全課、防犯係など
申請手数料:19,000円
許可証交付までの目安:概ね40日
主な必要書類:許可申請書、住民票、身分証明書、略歴書、誓約書など
営業所:実店舗のほか、自宅を営業所として申請することも可能
更新:定期的な更新制度はなし
取得後の主な義務:古物商標識の掲示、相手方の本人確認、取引内容の記録、変更届出など
必要書類や受付方法については、都道府県警察や管轄警察署によって案内が異なる場合があります。
申請書類を準備する前に、主たる営業所を管轄する警察署へ連絡し、必要書類や受付方法を確認しておくとスムーズです。
古物商許可とは
古物商許可とは、古物を買い取り、販売、交換、委託販売などを事業として行うために必要な公安委員会の許可です。
古物営業法における「古物」には、すでに使用された中古品だけでなく、未使用であっても一度消費者の手に渡った商品や、それらに修理、補修、クリーニングなどの手入れをした物品も含まれます。
例えば、店舗で購入したものの一度も使用していない未開封品であっても、消費者の手に渡った時点で古物に該当する場合があります。
古物営業法は、盗品などが中古品市場に流通することを防ぎ、盗難被害品を早期に発見することを目的とした法律です。
そのため、古物商には許可を取得するだけでなく、仕入れ相手の本人確認や取引内容の記録なども義務付けられています。
古物商許可が必要なケース
次のような事業を行う場合は、原則として古物商許可が必要です。
・中古品を仕入れて販売する
・フリマアプリやネットオークションで中古品を仕入れて転売する
・リサイクルショップや古着店を営業する
・中古の家具や家電を買い取って販売する
・ブランド品、時計、貴金属などを買い取って販売する
・中古車や中古バイクを仕入れて販売する
・中古品を買い取り、修理やクリーニングをして販売する
・中古品の販売を委託され、手数料を受け取る
・中古品を仕入れてレンタルする
・出張買取や宅配買取を行う
・古物市場や業者オークションで仕入れた商品を販売する
販売場所が実店舗かインターネットかは関係ありません。
メルカリ、ヤフオク、Amazon、ネットショップなどを利用する場合でも、中古品を仕入れて継続的に販売するのであれば、古物商許可が必要になる可能性があります。
古物商許可が原則不要なケース
次のようなケースでは、古物商許可は通常必要ありません。
・自分で使用していた不用品を売る
・自分で使用するために購入した物を、不要になってから売る
・家族から無償でもらった物を売る
・メーカーや正規の卸売業者から新品だけを仕入れて販売する
・自分で製作した商品を販売する
自宅にある家具、家電、洋服、本などを売るだけであれば、通常は古物営業には該当しません。
ただし、形式上は不用品販売に見えても、最初から転売する目的で商品を購入し、繰り返し販売している場合は、古物営業と判断される可能性があります。
許可の要否は、取引件数や利益額だけで決まるものではありません。
「古物を仕入れ、事業として売買や交換を行っているか」が重要な判断基準になります。
副業のせどりでも古物商許可は必要
会社員や個人事業主が副業として行う場合でも、中古品を仕入れて販売するのであれば、原則として古物商許可が必要です。
月に数回しか取引していない場合や、利益が少ない場合でも、営利目的で継続的に中古品を仕入れているのであれば、許可が不要になるとは限りません。
副業として小規模に始める場合でも、仕入れを開始する前に管轄警察署へ相談しましょう。
無在庫販売でも取引内容によっては必要
古物商許可が必要かどうかは、在庫を自宅や倉庫に保管しているかだけで判断されるものではありません。
メーカーや正規卸から新品を仕入れ、購入者へ直接発送する一般的な新品の無在庫販売であれば、通常は古物営業には該当しません。
一方、中古品を仕入れて第三者へ販売する取引であれば、自分が商品を一時的に保管しない場合でも、古物商許可が必要になる可能性があります。
無在庫販売だから必ず許可が不要とは考えず、取り扱う商品と取引方法を警察署へ具体的に伝えて確認してください。
古物商許可で扱う13品目
古物は、古物営業法施行規則によって次の13品目に区分されています。
申請時には、主として取り扱う予定の品目を選択します。
美術品類
絵画、書画、彫刻、工芸品、骨董品、刀剣など
衣類
洋服、和服、古着、帽子、布団、敷物など
時計・宝飾品類
腕時計、置時計、宝石、貴金属、アクセサリーなど
自動車
中古車、自動車部品、タイヤ、カーナビなど
自動二輪車及び原動機付自転車
中古バイク、原付、バイク部品など
自転車類
自転車、電動自転車、自転車部品など
写真機類
カメラ、レンズ、ビデオカメラ、双眼鏡、望遠鏡など
事務機器類
パソコン、コピー機、FAX、プリンター、レジスターなど
機械工具類
家電製品、工作機械、電動工具、電話機、ゲーム機など
道具類
家具、楽器、スポーツ用品、CD、DVD、ゲームソフト、日用品など
皮革・ゴム製品類
バッグ、靴、財布、革製品、ゴム製品など
書籍
本、雑誌、写真集、漫画、参考書など
金券類
商品券、乗車券、入場券、切手、収入印紙、株主優待券など
申請時には、主として取り扱う品目を一つ選びます。
複数の品目を取り扱うこともできますが、今後扱う可能性が高い商品については、申請前に警察署の担当者へ相談しておきましょう。
古物商許可を取得できない人
古物商許可は、必要書類を提出すれば誰でも必ず取得できるわけではありません。
古物営業法では、許可を受けられない欠格事由が定められています。
主な欠格事由は次のとおりです。
・破産手続開始の決定を受け、復権していない人
・一定の刑を受け、刑の執行終了などから5年を経過していない人
・住居が定まっていない人
・古物営業許可を取り消されてから5年を経過していない人
・古物営業を適正に行うために必要な判断や意思疎通ができない人
・営業に関して成年者と同一の行為能力を持たない未成年者
・営業所ごとに適切な管理者を選任できない人
・法人役員に欠格事由へ該当する人がいる法人
過去に罰金刑を受けたことがあっても、すべての罰金刑が欠格事由になるわけではありません。
欠格事由に該当する可能性がある場合は、申請書を提出する前に警察署や行政書士へ確認してください。
古物商許可を取得するまでの流れ
古物商許可は、主たる営業所の所在地を管轄する警察署へ申請します。
申請から許可証を受け取るまでの流れを順番に確認していきましょう。
1.営業所を決める
最初に、古物営業を行う営業所を決めます。
実店舗を持たず、インターネット販売だけを行う場合でも、古物営業に関する事務や取引を管理する営業所が必要です。
店舗を借りずに、自宅を営業所として申請することもできます。
ただし、賃貸住宅やマンションの場合は、賃貸借契約や管理規約で事業利用が禁止されていないか確認が必要です。
2.営業所の管理者を決める
古物商は、営業所ごとに管理者を1人選任しなければなりません。
管理者は、古物営業に関する業務を適正に行うための責任者です。
個人で申請する場合は、申請者本人が管理者を兼ねることもできます。
法人で申請する場合も、営業所ごとに管理者を決める必要があります。
3.取り扱う古物の品目を決める
美術品類、衣類、時計・宝飾品類、道具類など、取り扱う予定の古物を決めます。
申請書には、主として取り扱う品目のほか、取り扱う可能性がある品目を記載します。
何を選べばよいか分からない場合は、実際に販売する予定の商品を警察署の担当者へ伝えて確認しましょう。
4.管轄する警察署へ相談する
申請先は、主たる営業所の所在地を管轄する警察署です。
担当窓口は生活安全課、防犯係など、警察署によって名称が異なります。
警察署によっては、古物商許可の申請に事前予約が必要な場合があります。
申請書を作成する前に電話で連絡し、次の点を確認しておきましょう。
・申請窓口
・受付時間
・予約の必要性
・必要書類
・書類の有効期限
・手数料の支払方法
・自宅や賃貸物件を営業所にする場合の確認事項
事前に相談しておくことで、書類不足や記載ミスによる再提出を防ぎやすくなります。
5.申請書と添付書類を準備する
都道府県警察のホームページなどから、許可申請書、略歴書、誓約書を入手します。
住民票や身分証明書などは、市区町村の窓口で取得します。
書類には発行から一定期間以内のものを求められることがあるため、申請書の準備が整ってから取得すると期限切れを防げます。
6.警察署へ申請書を提出する
必要書類が揃ったら、管轄する警察署へ提出します。
申請書の内容や営業方法について、担当者から質問されることがあります。
インターネット販売、出張買取、宅配買取などを予定している場合は、具体的な営業方法を説明できるようにしておきましょう。
7.申請手数料を納める
古物商許可の新規申請手数料は19,000円です。
支払方法は、現金、収入証紙、キャッシュレス決済など、都道府県によって異なります。
不許可になった場合や、申請後に取り下げた場合でも、原則として手数料は返還されません。
8.審査を受ける
申請書が受理されると、申請者、法人役員、管理者、営業所などについて審査が行われます。
必要に応じて、警察署から営業内容や営業所について確認の連絡が入ることがあります。
書類の不足や記載ミスがある場合は、追加書類の提出や修正を求められます。
9.古物商許可証を受け取る
審査を通過すると、申請した警察署から許可証交付の連絡があります。
指定された方法で古物商許可証を受け取ります。
許可証を受け取った後は、営業所へ所定の古物商標識を掲示し、必要な帳簿や本人確認方法を整えてから営業を始めましょう。
古物商許可の必要書類
必要書類は、個人で申請する場合と法人で申請する場合で異なります。
個人で申請する場合の必要書類
個人で古物商許可を申請する場合は、主に次の書類を用意します。
・古物商許可申請書
・最近5年間の略歴書
・本籍が記載された住民票の写し
・市区町村長が発行する身分証明書
・誓約書
・営業所の管理者に関する書類
・URLの使用権限を証明する資料
URLの使用権限を証明する資料は、ホームページを利用して古物取引を行う場合に必要です。
申請者本人が営業所の管理者を兼ねる場合でも、本人用と管理者用の書類をそれぞれ用意することがあります。
必要部数や書式については、管轄する警察署の案内に従ってください。
法人で申請する場合の必要書類
法人で古物商許可を申請する場合は、主に次の書類が必要です。
・古物商許可申請書
・法人の登記事項証明書
・法人の定款
・役員全員の略歴書
・役員全員の住民票の写し
・役員全員の身分証明書
・役員全員の誓約書
・営業所の管理者に関する書類
・URLの使用権限を証明する資料
法人の場合は、原則として役員全員分の書類を準備します。
登記事項証明書や定款の内容と、申請書に記載する法人名、所在地、代表者、役員情報を一致させてください。
身分証明書とは
古物商許可の申請で必要になる「身分証明書」は、運転免許証やマイナンバーカードのことではありません。
本籍地の市区町村が発行する、破産手続開始の決定を受けて復権していない者などに該当しないことを証明する書類です。
住民票を置いている市区町村と本籍地が異なる場合は、本籍地の市区町村へ申請します。
賃貸契約書や営業所の図面は必須なのか
賃貸借契約書、使用承諾書、営業所の配置図などは、全国共通の法定添付書類として一律に提出するものではありません。
ただし、営業所の使用権限や営業実態を確認するため、管轄する警察署から追加資料を求められる場合があります。
賃貸住宅やマンションを営業所にする場合は、次の資料を準備しておくと対応しやすくなります。
・賃貸借契約書
・所有者や管理会社の使用承諾書
・マンションの管理規約
・営業所の平面図や周辺図
実際に提出が必要かどうかは、申請先の警察署へ確認してください。
古物商許可の申請費用
古物商許可の新規申請手数料は19,000円です。
申請手数料とは別に、次のような費用がかかる場合があります。
・住民票の発行手数料
・身分証明書の発行手数料
・法人の登記事項証明書の発行手数料
・定款の写しを準備する費用
・古物商標識の作成費用
・郵送で書類を取り寄せる場合の郵送料
・行政書士へ申請代行を依頼する場合の報酬
個人が自分で申請する場合は、申請手数料と各種証明書の発行費用が中心です。
行政書士へ依頼する場合は、申請手数料とは別に報酬が必要になります。
古物商許可が下りるまでの期間
古物商許可証が交付されるまでの目安は、申請書が正式に受理されてから概ね40日です。
40日には、書類を準備する期間は含まれていません。
土日祝日、年末年始、書類の修正期間などによっては、申請から受け取りまで1か月半以上かかることもあります。
許可証が交付される前に中古品の仕入れや買い取りを始めると、無許可営業となる可能性があります。
開業予定日から逆算し、余裕を持って申請しましょう。
自宅を営業所にして古物商許可を取れる?
実店舗を持っていない場合でも、自宅を古物営業の営業所として申請できます。
フリマアプリ、ネットオークション、ネットショップを中心に販売する人も、自宅を主たる営業所にすることが可能です。
ただし、営業所は古物営業に関する事務を行い、取引記録などを管理する実態のある場所でなければなりません。
住所を借りるだけのバーチャルオフィスや、古物営業の実態が確認できない場所は、営業所として認められない可能性があります。
賃貸住宅を営業所にする場合
賃貸住宅を営業所にする場合は、賃貸借契約書で事業利用が禁止されていないか確認してください。
居住専用と定められている物件では、所有者や管理会社から承諾を得なければならないことがあります。
警察署から使用権限を確認する資料の提出を求められる場合もあるため、事前相談が必要です。
分譲マンションを営業所にする場合
自分が所有するマンションであっても、管理規約によって営業行為が制限されている場合があります。
来客や商品の搬出入を伴わないインターネット販売であっても、事業利用に該当する可能性があります。
管理規約を確認し、必要に応じて管理組合へ相談しましょう。
ネットショップやフリマアプリで販売する場合の注意点
インターネットを利用して古物を販売または買い取る場合は、実店舗だけで営業する場合とは異なる手続きや表示が必要です。
ホームページのURLを届け出る
自社サイトなどに古物を掲載し、申込みフォームやメールなどを利用して非対面で取引する場合は、ホームページのURLを届け出ます。
許可申請時からホームページを利用する場合は、許可申請書へURLを記載します。
許可取得後に新しくホームページを開設した場合や、届け出たURLを変更した場合は、変更届出が必要です。
申請時には、ドメイン登録情報やサービスの管理画面など、申請者がそのURLを使用できることを示す資料を求められます。
公安委員会名・許可番号・氏名を表示する
インターネットを利用して古物取引を行う場合は、サイト上の分かりやすい場所に次の情報を表示します。
・許可を受けた公安委員会の名称
・古物商許可証の番号
・許可を受けた個人の氏名または法人の名称
個人で許可を受けた場合は、屋号だけではなく、許可を受けた本人の氏名を掲載する必要があります。
フリマアプリやオークションサイトを利用する場合も、古物商であることを表示せずに営業することはできません。
通信販売に必要な表示も確認する
インターネットを利用して商品を販売する場合は、古物営業法だけでなく、特定商取引法に基づく表示も必要です。
事業者名、住所、電話番号、販売価格、送料、支払方法、返品条件などを確認し、必要な情報を掲載しましょう。
宅配買取では正しい本人確認が必要
宅配買取やオンライン買取では、売主と直接対面しないため、法令で定められた非対面取引の本人確認方法を採用しなければなりません。
運転免許証やマイナンバーカードのコピー、画像データなどを送ってもらうだけでは、本人確認として不十分です。
身分証明書の確認と本人名義口座への振り込みを組み合わせる方法や、簡易書留などを利用して住所を確認する方法など、認められた方法で確認します。
宅配買取を始める場合は、買取申込みの流れを作る前に、警察署へ本人確認方法を相談しておきましょう。
古物商許可を取得するとできること
古物商許可を取得すると、中古品を適法に仕入れ、店舗やインターネットで販売できるようになります。
中古品を仕入れて継続的に販売できる
リサイクルショップ、フリマアプリ、ネットオークション、ネットショップなどから中古品を仕入れ、継続的に販売できます。
家具、家電、衣類、ブランド品、時計、貴金属、本、ゲーム、楽器など、申請した品目に応じた古物を扱えます。
出張買取や宅配買取を行える
利用者から中古品を買い取り、再販売する出張買取や宅配買取の事業を行えます。
ただし、出張先での買い取りや非対面での本人確認にはルールがあるため、営業方法に合わせた準備が必要です。
古物市場や業者オークションへ参加できる
- 古物商許可証を取得すると、古物商を対象とした古物市場や業者オークションへ参加するための基本条件を満たせます。
- 古物市場では、一般向けのリサイクルショップやフリマアプリとは異なる商品が出品されるため、仕入れルートを増やすことができます。
- ただし、市場によっては、許可証の提示だけでなく、入会審査、紹介者、保証金、入会金、参加費などが必要です。
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古物市場の詳しい参加方法は「古物市場で仕入れる方法完全ガイド」をご覧ください。
古物商許可取得後に守るべきルール
古物商許可は、取得すれば何をしてもよいというものではありません。
営業を始めた後も、古物営業法に定められたルールを守る必要があります。
営業所に古物商標識を掲示する
営業所に掲示するのは、古物商許可証そのものではなく、所定の古物商標識です。
古物商標識は、原則として紺色地に白文字で、縦8センチメートル、横16センチメートルと定められています。
標識には次の内容を記載します。
・古物商許可証の番号
・主として取り扱う古物の品目
・許可を受けた個人の氏名または法人名
営業所の公衆から見やすい場所に掲示してください。
行商をするときは許可証を携帯する
出張買取など、営業所以外の場所で古物営業を行う場合は、許可証を携帯します。
従業員が出張買取を行う場合は、所定の行商従業者証を携帯させなければなりません。
取引相手から提示を求められた場合は、許可証または行商従業者証を提示します。
買い取り時に相手方を確認する
古物を買い取る際は、原則として取引相手の次の情報を確認します。
・住所
・氏名
・職業
・年齢
古物商同士の仕入れやフリマアプリを通じた仕入れであっても、本人確認義務が生じる場合があります。
対価の総額が1万円未満の取引では、本人確認が免除される場合がありますが、すべての商品が対象ではありません。
1万円未満でも本人確認が必要な品目
次の品目については、取引金額が1万円未満であっても、本人確認や帳簿への記録が必要です。
・自動二輪車及び原動機付自転車と一部の部品
・エアコンの室外機
・電気温水機器のヒートポンプ
・家庭用ゲームソフト
・CDやDVDなど音声や映像を記録した物
・電線
・金属製のグレーチング
・書籍
取り扱う品目によってルールが異なるため、営業を開始する前に確認しておきましょう。
古物台帳へ取引内容を記録する
記録が必要な取引については、古物台帳などへ次の内容を記載します。
・取引年月日
・古物の品目
・数量
・商品の特徴
・取引相手の住所、氏名、職業、年齢
・本人確認を行った方法
古物台帳は紙で作成するだけでなく、必要な情報を検索して表示できる状態であれば、電子データで管理する方法もあります。
取引件数が増えることを想定し、開業前に記録方法を決めておきましょう。
盗品の疑いがある場合は警察へ申告する
買い取りを依頼された商品に盗品などの疑いがある場合は、直ちに警察へ申告しなければなりません。
次のような商品が持ち込まれた場合は、慎重に確認してください。
・同じ種類の商品を不自然に繰り返し持ち込む
・製造番号や車台番号が削られている
・購入経路を説明できない
・相場とかけ離れた金額で売却しようとする
・本人確認を強く拒否する
疑わしい商品を安易に買い取らないことが大切です。
住所や営業所などを変更したら届け出る
許可取得後に、申請内容へ変更が生じた場合は、変更届出や許可証の書換申請が必要です。
主な変更事項は次のとおりです。
・個人の氏名や住所
・法人名や本店所在地
・法人の代表者や役員
・営業所の名称や所在地
・営業所の新設や廃止
・営業所の管理者
・取り扱う古物の品目
・ホームページのURL
変更内容によって、変更前に届け出るものと、変更後に届け出るものがあります。
営業所の移転や新設などを予定している場合は、変更する前に管轄警察署へ確認しましょう。
古物商許可に関するよくある質問
Q.個人や副業でも許可は必要ですか?
中古品を仕入れて継続的に販売する場合は、個人、副業、専業、法人を問わず、原則として古物商許可が必要です。
取引件数や利益額が少ないことだけを理由に、許可が不要になるわけではありません。
Q.自宅の不用品を売るだけでも必要ですか?
自分で使用していた家具、家電、洋服、本などを売るだけであれば、通常は必要ありません。
ただし、最初から販売する目的で中古品を購入している場合は、古物商許可が必要になる可能性があります。
Q.未使用品の転売にも必要ですか?
未使用品であっても、一度消費者の手に渡った商品は、古物営業法上の古物に該当する場合があります。
未開封であることだけで、古物商許可が不要になるとは限りません。
Q.メルカリで販売する場合も必要ですか?
自宅にある自分の不用品を売るだけであれば、通常は必要ありません。
一方、メルカリで販売する目的で中古品を仕入れ、継続的に転売する場合は、原則として古物商許可が必要です。
Q.古物商許可はいつ申請すればよいですか?
中古品の買い取りや仕入れを始める前に申請します。
許可証の交付まで概ね40日かかるため、開業予定日の1か月半から2か月前には準備を始めるとよいでしょう。
Q.自宅でも古物商許可を取得できますか?
自宅を営業所として申請することは可能です。
ただし、賃貸借契約やマンションの管理規約で事業利用が禁止されていないか確認してください。
警察署から、営業所の使用権限や営業実態に関する追加資料を求められる場合があります。
Q.バーチャルオフィスでも申請できますか?
住所を借りるだけで、古物営業に関する事務や取引記録の管理を行えない場所は、営業所として認められない可能性があります。
利用を検討している場合は、契約する前に管轄警察署へ相談してください。
Q.古物商許可に有効期限はありますか?
古物商許可には、運転免許証のような定期的な更新制度はありません。
ただし、住所、法人役員、管理者、営業所などに変更があった場合は、期限内に変更届出や書換申請を行う必要があります。
Q.営業所に許可証を掲示する必要がありますか?
営業所へ掲示するのは、古物商許可証ではなく所定の古物商標識です。
古物商許可証は、紛失しないよう適切に保管してください。
Q.古物商許可があれば古物市場へ参加できますか?
古物商許可証は、多くの古物市場や業者オークションへ参加するための基本条件です。
ただし、市場ごとに入会審査、紹介者、参加費、保証金などが定められているため、許可証だけで必ず参加できるわけではありません。
Q.行政書士へ依頼しなくても申請できますか?
古物商許可は、自分で必要書類を集めて申請できます。
ただし、法人役員が多い場合、営業所が複数ある場合、欠格事由に該当する可能性がある場合などは、行政書士へ相談する方法もあります。
まとめ|中古品を仕入れる前に古物商許可を取得しよう
中古品を仕入れて販売するせどり、リサイクルショップ、ネットショップ、出張買取、宅配買取などを始める場合は、原則として古物商許可が必要です。
申請手数料は19,000円で、許可証が交付されるまでの目安は概ね40日です。
個人で申請する場合は、許可申請書のほか、住民票、身分証明書、略歴書、誓約書などを準備します。
許可を取得した後も、古物商標識の掲示、買い取り相手の本人確認、古物台帳への記録、インターネット上での許可番号表示、変更届出などの義務があります。
必要書類や申請方法は、地域や営業形態によって異なる場合があります。
主たる営業所を管轄する警察署へ事前に相談し、許可証が交付されてから中古品の仕入れや買い取りを始めましょう。
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